希望の光がみえたとき
2015/06/18
来てくださってありがとうございます。
このブログは生まれつき右腕に異所性蒙古斑があった娘をもつ母親が、完治までの経過を書き綴ったものです。
同じような悩みを持つ方が、この治療記録を見て少しでも参考になりましたら幸いです。
R病院へ
T大学病院からの紹介でR病院の形成外科へ娘のあざを見せに行きました。
私と同年代ぐらいの女性で胸ポケットからキャラクターのボールペンが4、5本顔をのぞかせていて、診察室に入ると「こんにちは」と明るく挨拶をしてくれました。
デスクの上にはぬいぐるみやフィギアなどたくさん置いてあり、不安そうな娘に小さなぬいぐるみを持たせてくれました。
和やかな雰囲気に私もリラックスして、娘のあざを見せることができたのです。
先生はあざの写真を撮った後、レーザーによる治療を提案されました。
ただ、レーザー治療を安全に行うために、全身麻酔をするということでした。
レーザーであざを消すというのは、ずいぶん前からネットで検索したりして、予想はできていたのですが、全身麻酔というのは、まったく心の準備ができていなかったので、言葉を失ってしまいました。
全身麻酔はどんなものなのか、全然知識のない私は一瞬にして、“呼吸はどうなるの”“そのまま目を覚まさなかったらどうする”“後遺症は”“せっかく今は元気なのにあざの治療のせいで娘を失ってしまったら”などマイナスなことばかりが頭の中をぐるぐるめぐりました。
たぶん不安そうな顔で先生の話を聞いていたんだと思います。
それを察してか先生は、自信のある声で「大丈夫ですよ。少し濃いので数回手術を行うことになると思いますが、必ずきれいになりますよ」
私「全身麻酔は…」
先生「麻酔科の先生が付いて全身の状態を観察して安全に行いますので、ご安心ください」「お母さんが不安になってしまう気持ち、よくわかります」
私「娘はまだ4か月で小さいと思うのですが、いつ頃手術をしたらいいでしょうか」
先生「そうですね。だんだん皮膚は成長とともに厚くなってしまいますので、早いうちの方がレーザーの効果を得やすいと思います」「でもお母さんのお気持ちを優先させたいと思います」「まだ4か月で小さいですもんね」
先生と相談した結果、手術するなら7か月頃だということになりました。
でも、こんな重大な決断を私だけでできるわけもなく、主人とも話し合って決めたかったので、即決はせず、2週間後に予約をし、帰ることにしました。
検査・入院の日決定
主人や親、親戚と話し合った結果、悩みに悩んで手術をするということに決定しました。
手術を希望するのであれば書類の記入がありますので、ハンコを持ってきてくださいと言われていたので、忘れずに持っていきました。
R病院予約の日、朝からあまりミルクを飲んでくれず、機嫌がイマイチの娘を連れていきました。
待合室には、人がたくさんいて、娘が泣いたらいやだなと思っていたら、1時間待ったあたりでグズグズしだし、そのうち泣き出したのです。
おなかがすいたのだと思い、病院の授乳室ってあまり気ノリはしなかったのですが、想像をしていたよりもきれいで、安心して調乳し、ミルクを飲ませることができました。
このとき、私と娘のほかに、2組の親子が授乳室にいたのですが、どちらもおっぱいをあげていました。
私は熱湯を水筒に入れて持って行ってしまったので、なかなか冷めず、水で冷ましていたのですが、おっぱいの出る人がうらやましくて仕方なかったです。
ミルクを飲ませて待合室に戻り、さらに約30分後に、娘の番が来ました。
前回とは違う部屋に通され、今日は診察はないのだと気づきました。
私「手術をお願いしたいと思います」
少し声が上ずってしまいました。
私にとってはものすごく勇気の要る言葉だったのです。
A4の書類を何枚か目の前に出されました。まずは手術日と手術前の検査の日程を決めます。
その手術前検査についての説明がありました。
手術前検査の内容は、採血、採尿、身長・体重測定、胸部レントゲン撮影、心電図・呼吸機能検査です。
検査日1週間前から、検査日、手術日にかけて、38度以上の発熱、咳がひどい、流行性の感染症など、体調不良があるときは、必ず連絡をするように言われました。
また予防接種は手術日の前後4週間は避けるようにとのことでした。
これに関しては、また後ほど書かせてもらいますが、私はとんでもないポカミスをしてしまったのです。
次は手術の説明がありました。
娘の病名は異所性蒙古斑で、手術内容はQスイッチアレキサンドライトレーザー、全身麻酔で行い、手術自体の危険性と考えられる合併症および経過予想は水ぶくれ、皮剥け、色素脱失、色素沈着というものでした。
これらの説明を受けて、同意書にサイン、捺印をしました。